下降プロセス技術のデジタル伝承 ~持続可能な加工プロセス技術のデジタル的継承~

 

昨今SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業が増えています。

 

SDGsが叫ばれるずっと以前の、団塊世代の定年が問題となった2007年頃から加工の世界も技術継承の問題を抱えています。

 

1972年にFANUCが世界初のコンピュータ搭載のNC、FANUC250を開発してから50年が経過しました。

現在では工作機械のNC搭載率は90%にも達しています。主軸回転、各軸の速度をコンピュータで制御し、CAD/CAMの登場により、加工プログラムさえ人手による作成が不要な時代となりました。

設計、加工、計測/検査の工程で技術革新が進み、それぞれの技術が高度に自動化、デジタル化されてきました。

 

加工プロセスに関わるほぼ全ての生産条件、検査結果をデジタル情報として得られるようになりましたが、その管理は未だ手書きやEXCELへの手入力など、アナログ管理が主流です。しかし膨存なデジタルデータは、もはや1個人がアナログ情報を元に詳細を把握し、分析する事が到底不可能な情報量に達しています。

 

ICTの推進により機械故障の遠隔監視や、振動や温度のパターン認識による予防保全など、設備の計画外停止を低減し、設備を止めない為のテクノロジーが多数台頭してきました。しかし機械を健全に稼働させるだけで生産技術は向上するでしょうか?

  

答えは「No」です。

 

計画外停止の低減は重要ですが、健全に設備を稼働させる技術と、良品を安定して生み出す技術は別です。

これ程までにデジタル化、自動化されている機械加工ですが、熟練プロセス技術者と新人プロセス技術者では工程の安定度に大きな差が生じます。

 

機械加工は工作機械本体だけでなく、治具、工具、切削速度、温度等の条件や、機械を稼働させるパラメータ設定が大きく品質を左右します。良/不良を判断する為には、高精度加工になるほど優れた計測技術、検査技術が要求されます。

 

熟練技術者、新人技術者も工程から上がってくる同じデータを見て仕事をしています。

熟練技術者が新人技術者と大きく違うのは、これら工程データの解釈です。データ見て、加工条件最適化のアクションに繋げられる解釈が出来るようになるまでには多くの経験と長い年月が必要です。それ故、デジタル化、自動化された現在でも、加工のプロセス技術者は依然として重要な役割を担う存在となっています。

  

我々の取り組むSDGsは、データの力で、加工プロセス技術のシステマチックで持続可能な伝承方法を確立する事にあります。

加工と計測を個々に自動化してデータを取るだけではデータを集約とレポートする手間を減らしているだけに過ぎません。多様なセンサからもたらされる加工時の条件データと、加工結果の集大成である計測/検査データとを多角的に評価し、画一的な良/不良判断に留まらない、「良品生産の条件」を素早く見つけ出す技術を確立する事が、このSDGsの取り組みの基盤技術となると確信しています。

 

私たちの提供するデータ活用システムは、単純に品質モニタリングを行ったり、検査成績書を作成する単機能提供を最終目的とはしていません。新製品の投入や工程変更に起因する品質変化要因を的確に捉え、素早く工程を最適化するシステムを提供する事を目的としています。

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